Expedio代表の小山は、とても純粋な‘いいヤツ’だ。
一緒に仕事をすれば、おそらく、30分も経たないうちにそれが分かる。
どちらかというと華奢なカラダを、生真面目にタイドアップした地味なスーツで包み、
堂々と仕事をする姿は圧巻だ。
パートナーとのディスカッションでは、厳しいコメントが容赦なく飛び出してくる。
きちんと感情を抑制した、とてもキレイな音の響き。声が、いい。
真摯。
という形容詞は、多分、彼のためにある言葉だ。
仲間への信頼と敬愛、ゆえの厳しさなのが、よく伝わってくる。
なぜ、この仕事を選んだの?と純粋に、単なる好奇心で訊いてみた。
「青雲の志があれば、カッコいいんですけどね。はじめは何となくだったんです。 高校時代の担任がとても親身な先生でして。その先生が進学先に熱心に勧めてくださったのがITの専科校で。まぁ、そこまで勧めるには、きっとなにか自分にも向いているものがあるのだろうと。」
ーなんとなくで初めた割には、続いていますね。しかも起業したのですから。最終的には、正解だった?
「そうですね。システム開発という仕事が、なにかお客さまの要望を叶えることで、なにか社会にも役立っているって、そう思えることがやはり大きかったんでしょうね。」
ーソーシャル系にコミットしてるのも、ある意味、その辺りの想いが重なっているのですか?
「まぁ、時流というのはあったんですけど。ついつい、突き詰めて行ってしまう性格というか。おかげさまでというか、その周辺の経験値が積み上がった分、得意技として修練されたのかもしれませんね。」
ーでも、まだまだ、固まりたくはないんでしょ。ゴールは未知数、と。
「そうなんですよ。実際、Expedioとして出来る領域は拡げていきたい。お客さまの‘楽しそう’が‘楽しい!!’という確信に変わる瞬間を、もっと共感したいんです。お客さまの要求が高くて壁を感じる時ほど、震えるくらいヤル気が起こる。やり過ぎぐらいやって、限界を突破した時、はじめて‘楽しい!!’って感じてもらえるはずだから。なによりもその瞬間を、大切にしているんです。」
このひと、システム開発という仕事の本質を見極めている。
もしかしたら、近い将来、世の中を変えてくれるひとりかもしれない。
本気で、そう、直感した。
(ソーシャル・インタビュア/ライター さくらいたかし)